呼吸は自律神経の働きに影響を与える数少ない、自分で操作できる動作です。特に息を長く吐く局面は身体が落ち着く方向に働くため、レッスン後に眠りやすさを感じる方がいます。
「レッスンの後、その日はよく眠れた」という声はよく聞きます。何が起きているのかを、分かっている範囲で整理します。あわせて、ピラティスで使う呼吸法のやり方もまとめます。
01. 呼吸は自分で操作できる数少ない自律機能
心拍や消化は自分の意思では変えられません。呼吸だけは、自動でも動くし、意識的にも変えられます。
一般に、息を吸う局面は身体を活動的な方向に、息を長く吐く局面は落ち着く方向に働くとされます。つまり呼吸の仕方を変えることは、身体の状態に働きかける手段のひとつになります。
02. ピラティスで呼吸を重視する理由
もともとは自律神経のためではありません。構造上の理由です。
- 横隔膜が働かないと腹圧が作れない
- 肋骨が動かないと胸郭が硬いままになる
- 息を止めて力むと体幹が安定しない
このためレッスンでは、動きのたびに呼吸のタイミングを指定します。結果として、50分のあいだ呼吸を意識し続ける時間になります。
03. ピラティスの呼吸法のやり方
ピラティスでは、肋骨を横と後ろに広げて吸う胸式呼吸を使います。お腹を大きくふくらませる腹式呼吸とは違います。
- ① 座るか仰向けになり、両手を肋骨の横に当てる
- ② 鼻から吸い、手を押し返すように肋骨を横と後ろに広げる
- ③ 口から細く長く吐き、肋骨が閉じていくのを感じる
- ④ 吐きながら、おへその下を背中側に軽く引き寄せる
間違えやすい点
- 肩が上がる — 首まわりに力が入ります。肩は下げたまま吸います
- お腹を大きくふくらませる — 胸式呼吸では、お腹は締めたまま保ちます
- 息を止める — 力を出す場面ほど止めやすくなります。動きのいちばんきついところで吐きます
レッスン中は「動く前に吸い、力を出すときに吐く」が基本の組み合わせです。最初から完璧にできる必要はありません。ヨガとの呼吸の違いはピラティスとヨガは何が違うのかにまとめています。
04. 現代の呼吸が浅くなりやすい理由
- 座位が長く、胸郭が閉じたまま
- 前かがみの姿勢で肋骨が広がらない
- 緊張状態が続くと呼吸が浅く速くなる
浅い呼吸が続くと、胸まわりはさらに硬くなります。硬いからまた浅くなる、という循環が起きます。
05. 家でできること
複雑なことは要りません。
- ① 仰向けになり、膝を立てる
- ② 手を肋骨の横に置く
- ③ 鼻から吸って、肋骨が横に広がるのを感じる
- ④ 口から、吸ったときより長く吐く
これを5回。深く吸おうと頑張らないことがコツです。吐き切ることのほうが大事です。
06. 期待しすぎないための線引き
- ピラティスは治療ではありません
- 眠りの改善を保証するものでもありません
- ただ、呼吸を意識する時間を持つこと自体に意味があるとは言えます
「よく眠れた」という感想が多いのは事実ですが、個人差があります。効果を約束するものとして受け取らないでください。
Brille 大津京の営業時間は9:00〜22:00(最終レッスン21:00開始)です。夜の枠もあるので、仕事帰りに呼吸を整えて帰る使い方もできます。初回体験はマット・グループマシンが0円、パーソナルが2,980円です。
よくある質問
ピラティスの呼吸法は腹式ですか、胸式ですか?
胸式が中心です。肋骨を横と後ろに広げて吸い、お腹は締めたまま保ちます。動いているあいだも体幹を安定させるためです。
ピラティスで不眠は治りますか?
治療ではありません。眠りやすさを感じる方はいますが、不眠が続く場合や日中に強い支障がある場合は医療機関にご相談ください。
夜のレッスンは寝つきに影響しませんか?
強度の高い運動を就寝直前に行うと寝つきにくくなることがあります。ピラティスは呼吸を中心に置く時間が長く、比較的落ち着いた状態で終わることが多い運動です。
家でもできる呼吸はありますか?
あります。仰向けで膝を立て、鼻から吸って口から長く吐く。吐く時間を吸う時間より長くするだけでも構いません。無理に深く吸おうとしないことがコツです。
この記事の監修
駒澤 悟
健康運動指導士/日本モデルボディメイク協会認定ボディメイクトレーナー/TRXサスペンショントレーナー/アスリートフードマイスター3級
国内外のフィットネスコンベンションで指導・演技を重ねてきたトレーナー。2013年アジアフィットネスコンベンション優勝、2014年ジャパン優勝・フランス4位入賞。2016年にはフランス最大級のフィットネスイベント Salon Fitness でプレゼンテーションを担当。2018年 SUMMER STYLE AWARD 大阪大会準優勝。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療を目的としたものではありません。身体に不安がある場合は医師などの医療専門家へご相談ください。
